ひと言でいえば「妥協点を低くしない医療」のことです。保険診療であろうと保険外診療であろうと、診断するプロセスだったり、方法論だったり、”医療”として根本的な違いは無いはずです。
単なる「歯を削って治す」だとか「歯の大工」といった、歯だけを単に削って治すではなく、
生活背景をふまえて長期的にベストで最適な治療を行うという私の考えからきているものです。
患者さんにはよく話すのですが、例えて言えば「骨折してボルトで留めたから走れるわけではない、
毎日病院に通ったからといって、骨がすぐくっつく訳ではない」ということです。
回数多く歯科医院で治療したからといって、すぐに治るわけではないのです。
体には必ず自身で治そうとする力(自然治癒力)が働くのです。
注意して頂きたいのは、「痛くない=治った」ではない、という事です。
ですからその力が働くことを見極め、引き出して治療していく、ということが必要になると思います。
もう一つは「治療が終わってからもずっと調子が良いかどうか?」ということです。
例えば当院で治療を受けた方が、転勤などで引っ越して別の歯科医院に行かれることになった場合でも、
その歯科医院のドクターに「あなたが以前通っていた歯科医院では、良い治療をされていたんですね」と言ってもらえるような、
あるいは、同じ個所をいつか治すことになった場合でも、治療が行いやすい環境を整えておくことも私は考慮しています。
これは余談ですが、外国の方の治療を行った場合でも、彼らが自国に帰った時に「日本の技術はなんて凄いんだ」と驚かすことを念頭に
治療にあたっていますね(笑)
自分自身は高いレベルでのオールマイティを目指しています。
治療に必要なあらゆるスキルを全て平均点以上にしたいと思っています。
総合的で、あらゆる症例に対応できることが、私の強みであるように研鑽を続けています。
「より良くなる為にはどうすればいいか?」を常に考えていて、そのための自己研鑽は
欠かしていないつもりです。
普段の生活をしている中で患者さんがあまり気にしない、ご本人さえも気づかないような
細かなところについてもこだわりを持ったりしていますね。
例えばメインテナンスのときの磨き粉のバリエーションの多さだったり・・・
私は事実はきちんと伝えるようにしています。それが人によって厳しいと思われることであっても、
最終的にはご本人に関わってくるところでもありますので・・・、言うべきことは言います。
もちろん、生活面で何か障害があるとか、環境の急変の場合などはそれらを考慮して接するようにしています。
洗面所に立つことも難しいような体の悪い方に「毎日3回必ず洗面所で歯磨きをしなさい」
というような事は言いませんよ(笑)
理想は「私と患者さんの二人三脚」。
そんななかでも患者さんが主役で私が黒子。
いつまでも歯を健康にいられるようにサポート出来れば、それが目指しているものに近いような
気がしています。
そのサポートというのは治療だけでなく、悩みの相談だったり、お子さんであれば母親と協力して
一緒にしつけにも携わったり、子育て相談だったり、というようなことも含まれると思っています。
お願いや要望、といったものは特にはないのですが・・・、
当院の場合、基本的に
「生涯に渡ってその患者さんの口腔内の健康、あるいは全身の健康の手助けをする」、
という理念があり、「人間関係を構築しながら治療を行っていくスタイル」であるために、
すこし治療に時間がかかるということがあります。
そういう点からすれば、「歯医者は歯が痛いときだけ行けばいい」「すぐに全部治してくれ」という
発想の患者さんは当院ではご希望に沿えないかも知れませんね。
現に今も予約が取りづらくて多くの方の予約が先になってしまう状態でして・・・。
逆に「生涯自分の歯を残していきたい」と考えている方や「今までの生活を改めて歯を大切にしたい」と、
口腔内に高い意識をお持ちの方にとっては、沢山の引き出しがある歯科医院だと思っています。
また、予約に関してですが、どうしても仕方がない場合は別として、「予約」は「予定」ではなく、当院との「約束」である
と思って欲しいのです。
頻繁な変更やキャンセルは治療の進み具合や治療計画にも影響が出ますし、
何よりも予約は「技術と知識を自分自身の為だけに、独占できる時間」なのです。
一つの治療法としてはとても優れていると思うのですが、第一選択肢ではないという事です。
よく「インプラントの利点は隣の歯を削らなくてもいい」という説明がありますが、
歯を削っても適切な処置をしておけば、その削った歯もそこまで悪くなることはない。
また、噛み合わせ調整などでも歯を削るという事も事実としてあります。
症例をしっかりと見極めた上で、結果的にインプラントであれば良いのですが、
「すぐにインプラント」といった最近の風潮にはとても違和感を感じています。
インプラントは自然の歯に比べると、その歯根(インプラント体)を守る仕組み(防御機構)が無いのです。
そのために常に手入れをする必要がある訳ですが、インプラントをされている方が脳卒中や全身疾患によって麻痺や寝たきりなどになった
場合にどこまでインプラントの手入れが出来るのか?ということを冷静に考える必要があります。
手入れの出来なくなったインプラントは、「インプラント周囲炎」と呼ばれるインプラントを入れた箇所に炎症を起こす場合があります。
最近のインプラントは優秀でよくくっつく反面、逆に取り除くことも難しい訳です。
そうなると大学病院などでオペをしなければならない場合もあり、ましてや寝たきりの場合などは、その場所で、インプラントを取ることは不可能に近くなります。

また、現在インプラントは多種多様な種類があり、各社が独立したシステムとなっていることが多く、患者さんの生活様式も多様であるため、以前に患者さんが入れたインプラントに引っ越し先の歯医者でそのシステムに対応できるかどうかも危惧するところです。
例て言えば高級外車を買って離島に引っ越してしまうと、メインテナンスができなくなってしまう、
といったことに近いものがあります。
それらのリスクをどこまで歯科医が患者さんに説明し、患者さん自身も理解されているか、
という点については甚だ疑問です。
訪問診療などで寝たきりの患者さんを多数診てきて、「もしこの口腔内にインプラントが
あったら・・・」ということを想像しています。 これからはより高齢化も進みますし・・・。
やはり
インプラントを入れたドクターはその患者さんが寝たきりになり、お亡くなりになるまでそのインプラントについて責任というか、
ケアすることを念頭において欲しいと思いますね。
【著者】デンタルオフィス宮村
院長(歯科医師) 宮村壽一