「定期な検診(定期的メンテナンス)を行っている人は長寿である」
というデータが出ています。
先進国の中で日本は、定期的にメンテナンスで歯科医院に通う割合が非常に少ない国なのです。
アメリカ、スウェーデン、ドイツなどでは定期的なメンテナンスを行うため、
予防的に歯科医院に通う割合は90数%ですが、
日本では逆に、痛くなったり、不具合が起きた時に歯科医院にかかる割合が90%に近いという、歯科医院受診の仕方においては先進欧米諸国と比べて、正反対の結果が出ているのです。
メンテナンスや予防で歯科医院に通っている人達の方が、残っている歯の数が多いことは様々なデータから明らかとなっており、その結果から平成23年に歯科口腔保健法が制定されました。
歯科口腔保健法 第六条 (平成23年)
(国民の責務)
国民は、歯科口腔保健に関する正しい知識を持ち、生涯にわたって日常生活において自ら歯科疾患の予防に向けた取組を行うとともに、定期的に歯科に係る検診を受け、及び必要に応じて歯科保健指導を受けることにより、歯科口腔保健に努めるものとする。
欧米諸国では既に、日本に先んじて“自分の歯を生涯に渡って大切にし、健康でいたい”と考え、各個人が自ら予防に積極的に取り組む風潮が社会全体に浸透しているのです。
歯を大切にするうえで、よく聞かれるのは8020運動ですね。
(8020運動について:日本歯科医師会ホームページ)
「80歳までに20本の歯を残す」というものですが、
実はこれには、生涯にかかる治療費の金銭的メリットもあります。
予防のメンテナンスをしっかりやっている人は、治療費が最終的に安くなっている、というデータがあるのです。
当院ではメンテナンスを行いながら、常に患者さんのお口の状態のチェックを実施しています。
そうすることで、口腔内の変化をいち早く捉える事ができるのです。
定期的にメンテナンスに通っていれば、
むし歯も早期にみつかり、結果的に治療も早く終わり、金額も安く済む・・・。
また、歯周病もコントロールしやすくなる・・・。
そして何よりも、「口という臓器の機能を長期に渡って安定・維持していく。」
クリーニングにより歯のくすみも取り除くことが可能です。
クリーニング前 | クリーニング後 |
また、予防として歯石を取ったり、普段なかなかご自身のブラッシングでは取れないステインなどの着色も清掃を行います。
クリーニング前 | クリーニング後 |
継続的にメンテナンスでの来院をしていただくことによって、信頼関係を築けることは無論、経年的なお口の状態の変化から、生活習慣の変化や他疾患の合併症などを読み取れることもあります。
“本来の意味でのかかりつけ歯科医院”として、多くの方からお口の管理を任せて頂いています。
歯石や黄ばみ、ステインなど市販品を使って自己流できれいにしようとすると、
歯を傷つけながら行ってしまう場合がありますが、当院では医学的な根拠に基づき、
“プロフェッショナルならではの技術”で、歯を保護しながら行います。
仕上げは、歯に必要なミネラル成分を補充して磨き上げるので、ミクロレベルにおける歯の表面の傷もツルツルになり、次第に汚れもつきにくくなります。
メンテナンスによって、歯と歯の間など、自分では掃除しづらいところもキレイになるので口臭も減ります。
当院では直近のご希望の日での予約日程をお取りできないこともあるかと思いますので、まずは、予防目的でお口のチェックやクリーニング等から始められるのがお奨めです。
「ツルピカでお願いします!」
実際にあったメンテナンス中の患者さんからの言葉です。
一般的にメンテナンスを行うと回数がかかる場合もあるのですが、
当院の場合は、出来る限り1回で終わらせるように努力しています。
(状態がひどい場合は別ですが)
心地よい状態で、
なるべく痛くなく、
気持ちよく、
メンテナンスを受けて頂くことを意識しています。
「エステのようにいつの間にか寝ていた!」
という患者さんも多くいらっしゃいます。
「いい気持ちで寝ていたのに、もう終わっちゃった!?」
「疲れてるので、今から寝てしまってもいいですか?」
遠くに引っ越しても、わざわざメンテナンスのためだけに転居先から来院される方もいます。
当院のメンテナンスの方法には、“さりげない工夫”があります。
清掃の順序や力加減はかなり意識をしていており、
ブラシの回転数も試行錯誤の上、最適な回転数をみつけ工夫しています。
歯の汚れを取る際には粗い研磨剤を使っている歯科医院もありますが
歯そのものを傷つけてしまう恐れがあるため、当院では研磨剤も厳選し、
また、ブラシの種類や出力の微調整を行いながら用いることにより、
汚れは徹底的に除去しながらも、歯を傷めない清掃を心がけています。
さらには仕上げの磨き上げでラバーカップと呼ばれる器具等を用い、
歯にミネラルを補いながらツルツルの状態にまで仕上げます。
(イメージでお伝えすると車のワックスがけにあたる工程です)
患者さんごとの口腔内の状態に応じて、研磨剤や薬剤を使い分けてメンテナンスを行っているのです。
多くの方が、歯周病やむし歯の治療終了後も定期的に来院され、メンテナンスを受け、口腔内の状態を良好に保たれています。
当院に来院している子供たちに対しても、
予防という概念を理解してもらうことが重要と考えています。
子供たちにとっては、大人の歯(永久歯)にすべて生え変わった段階で、むし歯の無い状態であることが理想ですよね。
そこを目指して、子供たちにもメンテナンスを行っています。
“むし歯ゼロの口をつくる”、というイメージです。
特にフッ素などはしっかり使うことをお奨めします。
フッ素は科学的に安全であることが証明されており、事実、当院で90%以上の子供たちにむし歯の無い永久歯を作り上げることができています。
このフッ素を、大人のメンテナンスにおいても使う事は大変有効です。
歯がしみる事や歯の根のむし歯、酸蝕症(酸によって侵襲をうけた歯)に有効であると同時に、口の中の細菌(歯周病含む)をも抑制するということが、実は証明されています。
“白い綺麗な歯になりたい”という願望を持たれる方は多いと思うのですが、診療で長年見続けていると、予防でフッ素を継続して使い続けた子供たちは、歯の質が硬く丈夫で、ホワイトニングをしたような白さが際立った、綺麗で美しい歯をしていることがほとんどです。
「永久歯、むし歯ゼロの口!!」
子ども達にはぜひ目指してほしいと考えています。